業務種別共同住宅の設計・監理
所在地奈良市法蓮町
構造・階数鉄骨造2階建て
延床面積240.00平米
間取り1LDK×4戸 ワンルーム×2戸
フレグランス佐保
フレグランス佐保

コンセプト・こだわり

風致地区では、建築デザインに対し様々な制約を受ける。建ぺい率や、高さ制限等の数値規制だ?けでなく、屋根の形状、仕上げ材、外壁の色や植栽計画まで、干渉される。それ故に、周辺は美しい街並が保たれているといった具合なのだが。

このプロジェクトは、3種風致地区内の厳しい??規制のなかで、どれだけ自由なデザインが可能かという試みでもあり、闘いでもあった。建築主は??長年空き地となっていた敷地を活用するため、賃貸の共同住宅の建設を計画した。

幸い北側は県立高校の校庭、西側は神社の境内なので、鬱蒼とした緑に囲まれている。そこで、半屋外空間にそれらを取り込むデザインとした。特に2階の共用廊下は森の中を行く空中歩廊のようである。

施主からの要望

3種風致地区内の厳しい規制の枠内で、出来る限り床面積と戸数を確保して欲しい。

プラン確定までに苦労した点・問題点・課題

出来る限り床面積と戸数を確保するために、共用部分(階段や廊下)をすべて屋外部分とすることで床面積の緩和規定を最大限受けられるようにした。

ただ屋根形状の工夫や列柱を配置することで建物の内側(半屋外)と外側は意識できるようにしている。

着工後に苦労した点・問題点・課題

風致地区内の厳しい規制により屋根を日本瓦とすることを強いられたが、耐震性の観点から鋼板等の軽い屋根で葺くように施主から求められた。

そこで工事施工者と共同で屋根材のメーカーを調査し日本瓦の形に成形した鋼板性の屋根材を生産しているメーカーを見つけることができた。

打合せや基本プランの作成に要した期間

2ヶ月

実施設計に要した期間

4ヶ月

着工から完成までに要した期間

8ヶ月

その他

風致地区内の厳しい規制に準じた建物を建て、地域の景観形成に寄与できたとしても、人の日常の営みが始まると、生活感が外まで溢れ景観を損ねる場合がある。そのためにサービスバルコニーを設けたり、物干金物やエアコンスリーブをバルコニーの手すり高さより低い位置に設置し、街路から洗濯物やエアコンの室外機が見えないようにしている。